「毎月の支払いに追われていて、子どもの将来のために貯金できる気がしない」
「ちゃんと育ててあげたいのに、毎日手探りで子育てに自信がない」
「子どもと笑って過ごしたいだけなのに、毎日いっぱいいっぱいで怒ってばかり」
初めての経験だからこそ、子育ての悩みをもつのはあたりまえです。とはいえ、正解が見えずに試行錯誤する毎日を送っていたら、心がすり減ってしまいます。
本記事では、20〜30代のパパママたちが抱えがちな子育ての悩みを10個取り上げ、解決のヒントを5つお伝えします。
また、子育ての悩みをサポートしてくれる5つの相談先もあわせて紹介します。
子育ての悩みを解消し、子どもやパートナーと楽しい毎日を過ごしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
1. 子育て中のパパママの悩み10選

子育てに一生懸命なパパママほど、多くの悩みを抱えています。
以下は、株式会社AlbaLinkが「子育てで大変なことに関する意識調査」を基に作成した子育ての悩みランキングTOP10です。
- 子育てにかかるお金が心配
- 仕事と子育ての両立がむずかしい
- 子どもの気持ちがわからない
- 自分の時間がまったく取れない
- ストレスがたまりすぎてつらい
- 夫婦で子育ての方針が合わない
- 子どものペースに振り回されてばかり
- 気づけばワンオペになっている
- 睡眠不足でつらい毎日が続いている
- しつけがうまくいかない
出典:株式会社AlbaLink「【子育てで大変なことランキング】パパ&ママ500人アンケート調査」
自分の悩みと重なるものがあるか、チェックしてみましょう。
1. 子育てにかかるお金が心配
内閣府が実施した「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」から、中学校の卒業までに約1,900万円の子育て費用がかかるとわかります。
調査時の15年前よりも今の日本は物価が上がっているため、子ども1人を育てていくには2,000万円以上のお金が必要になるでしょう。
子どもの数が増えれば、それだけ費用も膨大になるため、経済面の不安を抱えているパパママは多いです。
貯金をするだけでは賄えない可能性があるため、子育て費用を軽減するための制度や助成金の活用も検討しましょう。
図表1
年齢 | 年間子育て費用 | 年齢 | 年間子育て費用 |
0歳 | 931,246円 | 8歳 | 1,059,791円 |
1歳 | 878,040円 | 9歳 | 1,131,097円 |
2歳 | 942,715円 | 10歳 | 1,152,088円 |
3歳 | 1,040,577円 | 11歳 | 1,235,483円 |
4歳 | 1,197,116円 | 12歳 | 1,269,053円 |
5歳 | 1,159,523円 | 13歳 | 1,527,873円 |
6歳 | 1,215,243円 | 14歳 | 1,531,521円 |
7歳 | 1,112,082円 | 15歳 | 1,611,802円 |
出典:内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 第3章 調査結果」
2. 仕事と子育ての両立がむずかしい
育児とキャリアの間で葛藤し、精神的なストレスを感じているパパママは多いです。「子どもを最優先に」と思っていても、仕事をしなければ生活に必要なお金を稼ぐことができません。
保育園や幼稚園に預けられれば安心というわけでもなく、送迎や急な体調不良への対応で仕事を抜け出さなければならなくなることが多々あります。
毎日すべてを完璧にこなすことは難しいため、時短勤務制度を活用したり家族や知り合いにお迎えの協力をお願いしたりして、無理なく続けられるようにしましょう。
3. 子どもの気持ちがわからない
子どもが突然泣き出したり不機嫌になったりすると、どうしたらいいかわからなくなりますよね。子どもの気持ちをすべて理解し、完璧に応えてあげるのは不可能でしょう。
まだ言葉がうまく話せない幼児期は、機嫌が悪くても理由を伝えてくれません。親は「お腹がすいたのかな?」「眠いのかな?」と推測するしかなく、的外れになることもあります。
イヤイヤ期になると「帰りたくない」「服を着たくない」など、理由がはっきりしない反発が増えてきて困惑するでしょう。
大切なのは、子どもを一人の人間として尊重し、同じ目線や立場で接することです。

子どもは親が喜んでいたら笑顔になるし、困っていたら「どうしたの?」と声をかけてくれます。
大人も同じように寄り添う言葉をかけることで、子どもは「わかってもらえた」と感じ、安心して自分の思いを表現できるようになりますよ!
4. 自分の時間がまったく取れない
子どもが生まれてからは一息つく暇もなく、自分の時間を作ることができないパパママが多いです。
- 体をゆっくり休めたい
- 趣味を楽しむ時間がほしい
- 友達と遊びたい
内心はそう思っていても、親としての責任感から自分のための時間はどうしても後回しになってしまいます。しかし、それでは心身ともに余裕がなくなり、子育てが苦しくなる一方です。
家族みんなが笑顔で過ごせるようにするために、夫婦で協力してお互いの時間を作ったり信頼できる人に子どもを預けたりして、自分のための時間を確保しましょう。
5. ストレスがたまりすぎてつらい
子育てをする上でストレスを感じない人はいません。子どもが生まれると、これまでの生活とは一変するため、ストレスを感じるのが自然でしょう。
- 夜泣きやイヤイヤ期の対応が大変
- 夫婦間で家事や育児の分担がうまくできない
- 自分の時間が作れなくて毎日がしんどい
こういった悩みでストレスがたまりすぎると、気力も体力も削られ、笑顔で子どもと向き合う余裕がなくなってしまいます。
頑張りすぎず、つらいと感じたときには家事を手抜きしたり自分の時間を作ったりして疲れた心を休ませましょう。
6. 夫婦で子育ての方針が合わない
子育てに対する考え方は、それぞれが育ってきた環境によって異なります。そのため、夫婦間で教育方針が合わないことも珍しくありません。
どちらかが我慢し続けると、やがて不満が積もって口論やすれ違いの原因になります。それによる一番の被害者は子どもです。
大切なのは、お互いの意見を否定せずに受け止めることです。子どものためを思う気持ちは一致しているため、夫婦で話し合って方針を決めていきましょう。
7. 子どものペースに振り回されてばかり
子どもは自分の欲求に正直に行動するため、大人のペース通りにいかない場面が多々あります。
- 急いでいるときに限って「まだ帰りたくない」と駄々をこねる
- ご飯の時間になっても遊びたくて片付けない
- スーパーでお菓子を買ってもらえなくてその場で泣き出す
表現力が乏しく、大人には理解し難いことも多いでしょう。
すべてを予定通りにこなそうとするのではなく、子どものペースに寄り添う余裕をもつことが大切です。
計画にゆとりをもたせ、子どもがぐずっても想定の範囲内だと思えるようにするといいでしょう。
8. 気づけばワンオペになっている
仕事でパートナーの帰宅が遅かったり実家が遠方で頼れる人がいなかったりして、一人で育児や家事を行っていることがよくあります。
負担が一方に偏ると、精神的なストレスが大きくなります。不満が生まれると、険悪なムードが流れて子どもに悪影響です。
現状を夫婦で話し合い、お互いが納得できる役割分担をするといいでしょう。

やってもらうのがあたりまえではなく、感謝の気持ちを伝えたり代わりとしてできることに取り組んだりするといいですね。
お互いを思い合う気持ちが大切です!
9. 睡眠不足でつらい毎日が続いている
夜泣きでゆっくり眠れず、睡眠不足のパパママは多くいます。疲れが取れていないと、イライラしたり判断力が鈍ったりすることもあります。
毎日が休みなく続く育児の中では、数時間の睡眠でもとても貴重な時間です。夜にあまり寝られなかった際には、子どもといっしょに昼寝をしたりパートナーや家族に家事を任せたりして仮眠をとるようにしましょう。
10. しつけがうまくいかない
子どもをきちんと育てたいという思いから、どう伝えたらよいかと頭を抱えてしまうこともあるでしょう。しつけは親が正論を言うのではなく、子どもが自ら考えるように促すことが重要です。
「なぜいけないのか?」を理解しなければ、いつまでも同じ過ちを繰り返します。
「叩いたらダメ」と頭ごなしに注意するのではなく「今の痛かったみたいだよ。どうすればよかったと思う?」と問いかけることで、子どもが自分の行動を振り返るきっかけになります。

大切なのは、子どもの気持ちを尊重しつつ、根気強く伝えることです。子ども自身が考えられるように問いかけたり短くわかりやすい言葉で説明したりしましょう!
2. 子育ての悩みを軽減する5つの考え方

子どもによって正解が違うため、思い通りにいかない日々の中で心が疲れてしまうこともあるでしょう。けれど、どんなパパママも子育てのすべてがうまくいっているわけではありません。
大切なのは、子育てに対する考え方を少し変えることです。ここでは、子育ての悩みを軽減するヒントを5つ紹介します。
- 子育て資金は貯めるより制度を活用しよう
- 完璧を求めず、子育てを楽しもう
- 周りと比べず、子どもといっしょに成長しよう
- 思いや考えをパートナーとこまめに共有しよう
- 親としてだけでなく、自分の人生を大切にしよう
子育ての悩みを減らし、楽しく毎日を過ごすためにもぜひ参考にしてください。
1. 子育て資金は貯めるより制度を活用しよう
子育てには、中学校卒業までに約2,000万円、高校や大学に進学すると3,000万円以上の資金が必要です。
預貯金でも子育て資金を準備することは可能ですが、国の教育資金制度である教育ローンや自治体で行っている保育料の減額・免除などのサポート制度を活用することで、経済的な負担を大きく減らせます。
自分が利用できる制度をチェックし、使えるものは積極的に使いましょう。
2. 完璧を求めず、子育てを楽しもう
「親として子育てを完璧にやらなければ」と思う必要はありません。家事が多少手抜きだったり子どもにイライラしてしまったりすることは、誰にだってあることでしょう。
大切なのは、毎日の生活を子どもやパートナーといっしょに楽しむことです。パパママが日々を楽しく過ごしていれば、子どもは笑顔で成長していきます。
うまくいかないところにフォーカスせず、親として今日できたことや以前より成長したことに目を向け、子育てを楽しみましょう。
3. 周りと比べず、子どもといっしょに成長しよう
子どもの成長には個人差があるため、周りと比較しないようにしましょう。
周りの子ができていることを自分の子どもができていないと、焦りや不安を感じるかもしれません。けれど、子どもは自分のペースで確実に育っていきます。
「自分の子育てに問題があるのでは」と自身を否定するのではなく、子どもに合わせながら親もいっしょに成長していくスタンスでいることが大切です。

他の子と比べて評価するのではなく、自分の子どもが過去よりどれだけ成長したかを見てあげるようにしましょう!
「子どもが成長した=自分も親として成長した」証です!
4. 思いや考えをパートナーとこまめに共有しよう
子育てはパートナーといっしょに取り組んでいくものです。
- 睡眠不足でつらい
- 子育ての方針にずれが生じている
- 育児や家事がワンオペになっている
悩みを感じたら、積極的に話し合うようにしましょう。また、相談だけでなく「子どもが今日頑張っていたこと」や「お互いが親として成長したこと」などプラスの話をすることで、より前向きに子育てと向き合えます。
5. 忙しくても自分の時間を作り出そう
子どもが生まれると「パパママとしての振る舞い」が中心になります。子育ては親の重要な役目ですが、自分の人生がすべて子どものためのものではありません。
子どもはパパママが笑顔でいると安心します。趣味や好きなことに時間を使い、リフレッシュすることで質の高い子育てをできるようにしていきましょう。
3. 子育ての悩みをサポートしてくれる5つの相談先

子育ての悩みを一人で抱え込んでしまうと、心も体も疲れてしまいます。最悪の状況になる前に「つらい」と感じたら専門機関を頼りましょう。
ここでは、気軽に利用できる相談先を5つ紹介します。
- 【こども家庭庁】相談窓口
- 【日本助産師会】全国都道府県助産師会における相談窓口
- 児童相談所
- よりそいホットライン
- エンゼル110番
子育てで悩んでいる方は、自分の状況に合う機関に問い合わせてみましょう。
1. 子育て相談窓口
子ども家庭庁のHPには各自治体の設置している相談窓口が掲載されています。また、厚生労働省や文部科学省、法務省、警察庁などの関係省庁の窓口も載っており、自分に合った相談先を見つけることが可能です。
電話やSNS等での相談も受け付けているため、悩みがある際には気軽に問い合わせてみましょう。
2. 子育て・女性健康支援センター
子育ての悩みを妊娠や出産の専門家である助産師に相談できます。また、女性の健康についても相談可能です。
各都道府県に設置されており、訪問してくれる制度もあります。ホームページを確認し、まずは電話してみましょう。
3. 児童相談所
子ども家庭庁のHPには児童相談所の一覧が掲載されています。児童相談所というと「児童虐待の通報先」というイメージが強いかもしれませんが、子育てに関する相談をすることも可能です。
児童福祉司や児童心理司、医師など専門スタッフが在籍しているため、必要に応じて医療機関等の支援も受けられます。
子どもに関する悩みに精通したスペシャリストに相談することで、早期解決ができるでしょう。
4. よりそいホットライン
どんな悩みにも寄り添い、解決する方法を探してくれる24時間対応の無料電話相談窓口です。2024年5月からは「子育てもやもやしゃべルーム」を開設しています。
子どもの成長やパートナーとの関係など、どんな悩みも気軽に話せる場です。
子育ての悩みを他のパパママと共有したい場合には、ぜひ活用してみましょう。
出典:よりそいホットライン|一般社団法人社会的包摂サポートセンター
5. エンゼル110番
株式会社森永乳業ビジネスサービスが運営する無料の電話相談窓口です。1975年から続く歴史の長いサービスであり、累計の相談件数は100万を超えています。
アドバイスブックや離乳食レシピなど育児の参考になる資料が多々あります。電話相談だけでなく、子育てのヒントとなるものを調べられる点が魅力です。
4. 子育ての悩みを乗り越えて、子どもも親もハッピーな家庭をつくろう

子育ての悩みをもつことは親としてあたりまえです。その悩みとどう向き合うかで、親子の関係や家庭の雰囲気が変わります。
「完璧な親」や「理想的な育児」を目指すのではなく、子どもも親も楽しい子育てを実現していきましょう。
パパママが笑顔でいることで、子どもは安心感をもって日々を過ごし、着実に成長していきます。自分たちのペースで一歩ずつ進み、子どもも親も幸せな家庭をつくっていきましょう。